被食者の増殖速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 17:08 UTC 版)
「ロトカ・ヴォルテラの方程式」の記事における「被食者の増殖速度」の解説
モデルの連立方程式内の d x d t = a x − b x y {\displaystyle {\frac {dx}{dt}}=ax-bxy} は被食者の個体数増殖速度 dx/dt を表している。上記の式は、以下のような生態学的な前提条件から導出される。 まず、捕食者が存在しない場合を仮定すると、被食者の個体数 x は順調に自然増していくと考えられる。この自然増は、マルサスモデルのようにその個体数に比例して増殖速度が増え、制限なく指数関数的に増殖すると仮定する。すなわち、被食者にとっての餌は不足することなく十分あるような環境にあると仮定する。これを表しているのが、右辺第一項 ax である。 しかし、捕食者が存在する場合、被食者の個体数は捕食によって減少し、捕食者の存在は被食者増殖速度を抑制する効果を持つ。よって、捕食者数 y に比例して被食者増殖速度 dx/dt が減少すると仮定できる。またさらに、捕食者がランダムに被食者を探索しているとすれば、被食者個体数が多いほど出会う割合が高まると考えられる。よって、被食者増殖速度は被食者個体数にも比例して減少すると仮定できる。これを表しているのが、右辺第二項 −bxy である。このような、それぞれの個体数の単純な積で個体数増殖速度への影響を表すことを、質量作用の法則や質量作用の仮定と呼ぶ。ロトカ・ヴォルテラの方程式は、この原則を基礎としている。
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