薬剤耐性検査の意義
【概要】 治療前の感染者では薬剤耐性がない野生型HIVがほとんどである。しかし最近は5%ぐらい臨床的な薬剤耐性HIVがみつかるようになった。治療前の検査の結果で、どの薬剤を選ぶべきでないかがわかる。3ヶ月以上治療をしてもHIV RNAが検出できる患者では、ウイルス学的な治療失敗例である。薬剤耐性検査の結果を参考に、残す薬剤と変更すべき薬剤を選択するときに役立ち、専門家の経験より良い結果を与えるという研究結果がある。
【詳しく】 薬剤中止後の耐性検査はあまり時間をおかないで検査をすべきである。数ヶ月以内に耐性変異HIVが劣勢になり、まるで耐性HIVが消えたように見える。同じ薬剤を再開したら同じ耐性変異をもったHIVが再出現する。 中にはHIV RNA量が増えてもCD4数、つまり免疫能が回復してくる患者もある。残っている耐性HIVは複製能が低く病原性が少ないのかも知れないので悩ましい。また薬剤耐性のデータは、針刺し事故時に受傷者が薬剤を選ぶときにも参考になる。
【URL】http://idsc.nih.go.jp/iasr/25/293/dj2934.html
《参照》 薬剤耐性

- 薬剤耐性検査の意義のページへのリンク