じょうき‐ぎり【蒸気霧】
蒸気霧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/16 04:51 UTC 版)


蒸気霧(じょうきぎり)は冷気が温かい水面上に流れてきたときにできる霧である[1][2] [3]。北海道などでは気嵐(けあらし)とも呼ばれる[4][5]。冷気中に起こった微風が温かい水上の水蒸気で飽和した暖気と混ざり合って形成される。暖気は露点を超えて冷却されるため、水蒸気の一部が凝縮する。同じ原理で起こる現象には寒い日にお風呂に入ろうとして蓋を開けると、湯船からブワッと湯気が立つことや、運動している人から生じる蒸気などがある[2][3][6]。海で起こる蒸気霧は、乱気流のような見た目で、渦を巻いた柱を形成することがある[7]。この柱は、高くなることはあまりなく大型の船舶であればその上から海上を見ることができる[8] 。蒸気霧による柱は、温帯でみられることは稀であるが、極地地方では起こりやすい[3]。放射冷却によって冷え込む晩秋から冬の、よく晴れて風が弱い日の朝に発生しやすく、初冬の風物詩にもなっている[5][6][9][10][4][11]。また、入江の深いリアス海岸のような地形では蒸気霧が発生しやすい[6]。
脚注
- ^ 今回のテーマは霧です - マリンレジャー安全レポート 海上保安庁
- ^ a b MacDonald, Edwin A., Captain, USN (Retired) (1969). Polar Operations. Annapolis: United States Naval Institute. p. 31
- ^ a b c Ministry of Defense (Navy) (1973). Admiralty Manual of Navigation, Volume II. London: Her Majesty's Stationery Office. p. 188
- ^ a b “けあらし - 気象予報士・伊東譲司のオモシロ天気塾”. 2023年8月30日閲覧。
- ^ a b “冬を運ぶ風物詩「気嵐」”. 2023年8月30日閲覧。
- ^ a b c “気仙沼氣嵐 冬を告げる幻想的な景色「気嵐」を知っていますか?”. 2023年8月30日閲覧。
- ^ Roll, H. U. (1965). Physics of the marine atmosphere. New York: Academic Press. ISBN 978-0-08-095444-8. OCLC 316566885
- ^ Halsted, Hank (August 1982). “Fog”. Motorboating and Sailing: 41–42. OCLC 46773002.
- ^ “気嵐 - 株式会社コササル”. 2023年8月30日閲覧。
- ^ “幻想的な冬の風物詩 気嵐(けあらし)出現 岩手県山田湾”. 2023年8月30日閲覧。
- ^ “五島 久賀島で「気嵐」朝の冷え込みで湯気のように立ち上る - NHK Web”. 2023年8月30日閲覧。
蒸気霧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:05 UTC 版)
暖かく湿った空気が冷たい空気と混ざって発生する。冬に息が白くなるのと原理は同じ。暖かい水面上に冷たい空気が入り、水面から蒸発がおき、その水蒸気が冷たい空気に冷やされて発生するもので、実際は冷たい空気が暖かい川や湖の上に移動した際にみられる。風呂の湯気も原理は同じで、北海道などの川霧が代表的なもの。気嵐(けあらし)
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