膨張霧箱(ウィルソン霧箱)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 14:22 UTC 版)
膨張霧箱は、空気を膨張させることで過飽和状態を作り出す。ウィルソン霧箱と呼ばれるときは、この膨張霧箱のみを指すことが多い。 箱のピストンを引いて空気を膨張させると、箱の中の温度が下がる。そのため、空気中に含むことのできる蒸気量が少なくなり、箱の中が一時的に過飽和の状態となる。この時に放射線が入射すると飛跡が見える。 膨張霧箱の欠点は、膨張させた時のみでしか飛跡が観測できないことである。一度霧箱を膨張させると、ふたたび観測の準備が整うまでに5分から6分程度の時間を要するため、連続して観測を行うことはできない。また、膨張させたときに放射線が入射しなかった場合は、飛跡を観測することができない。これを防ぐため、霧箱にGM計数管を配置して、放射線を感知した時に自動で霧箱が膨張する仕組みがとられている霧箱も多い。
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