腰痛のピットフォール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:09 UTC 版)
70歳以上の高齢者の腰痛は転倒のような受傷機転がなくとも椎体骨折を疑う必要がある。高齢者では大腿四頭筋筋力が低下しゆっくりと腰をおろせず、ドスンと椅子に座るため椎体骨折が起こりやすい。畑で大根を引き抜いた、孫を抱いた、背伸びをしただけでも椎体骨折を起こしえる。また胸腰椎移行部の骨折の疼痛は臀部に感じることが多く圧迫骨折を見落とす原因になっている。胸腰椎移行部の神経根後枝が臀部付近の皮膚を支配するためである。高齢者の腰痛では棘突起の打痛を胸椎から腰椎まで確認する。打痛は座位よりも腹臥位の方が誘発されやすい。高齢者の腰痛は胸椎と腰椎の両方のX線写真を撮影したほうが安全である。また第5胸椎より上では、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折は起こりにくく、もしあったら癌の骨転移を疑う。椎体骨折では棘突起の変化は通常起こらないのでMRIで棘突起に変化があれば癌の骨転移を疑う。
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