脳葉とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 脳葉の意味・解説 

脳葉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/10 03:42 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
脳: 脳葉
大脳の外側面
名称
日本語 脳葉
英語 Cerebral lobes
関連構造
上位構造 大脳大脳皮質、大脳半球
構成要素 前頭葉側頭葉頭頂葉後頭葉、辺縁葉、島葉
画像
Digital Anatomist 脳葉
脳葉
関連情報
NeuroNames 関連情報一覧
NIF 総合検索
グレイの解剖学 書籍中の説明(英語)
テンプレートを表示

脳葉(のうよう、英:Cerebral lobe)は大脳の解剖学的に区分けされた領域。目立つ脳溝を境界として、前頭葉側頭葉頭頂葉後頭葉島葉、辺縁葉(en:Limbic lobe)の六つの葉がある。

歴史

歴史上、初めて大脳を複数の葉に分けて記述したのは、フランスの解剖学者ルイ・ピエール・グラチオレ(Louis Pierre Gratiolet, 1815年–1865年)で、1854年のことである[1][2]。グラチオレは様々な霊長類の脳を比較して研究している中で、大脳の構造の間にある大まかな共通性を発見し、そこから大脳を5つの脳葉に区分した。4つの葉は近くにある頭蓋骨の名称から、前頭骨の近くにある葉を前頭葉頭頂骨の近くにある葉を頭頂葉側頭骨の近くにある葉を側頭葉後頭骨の近くにある葉を後頭葉と名付けた。そして残り一つを島葉とした[2]。頭蓋骨各部の名称は15世紀にすでに与えられていたが、大脳の領域の区分はグラチオレの研究以前は、前部、後部という大雑把なものだけであった[2]

1895年、ドイツ語圏の解剖学会で解剖学用語の標準化を目指した書籍 Basle Nomina Anatomica (BNA) が発行された。この書籍では、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、の4つが葉として記載された。BNAでは島葉は名称として記載はされたものの独立した葉としては扱われなかった[3]。この扱いは1935年発行の同種の書籍 Jena Nomina Anatomica (JNA) 、1955年発行の Nomina Anatomica (NA) 初版、そして第2版、第3版へそのまま引き継がれる[3]

1975年、東京で開催された国際解剖学会議の決議で、島がひとつの葉として扱われることが決まり、 Nomina Anatomica の第4版へ反映され、第5版へ引き継がれる[3]

1998年、Terminologia Anatomica が発行され、ここで初めて辺縁葉がひとつの他と区別された領域として加えられる。これにより大脳は全部で6つの葉へ区分されることとなった[3]

解剖

脳葉の区分はマクロ解剖学的なものとして、肉眼で見える脳溝を目印にして行われる。脳葉の境界を定める基準となる脳溝は中心溝外側溝頭頂後頭溝後頭前切痕が、辺縁葉を加える場合は帯状溝頭頂下溝が加わる。

各葉は、正中矢状面(体を左右に二等分する面)を挟んで対になっており、正中矢状面の右側にあるものを右○○葉、左側にあるものを左○○葉と言う(例えば右側の前頭葉、つまり右目のすぐ上にある脳の領域、は右前頭葉と呼ばれる)。

機能

脳葉と機能との間には明確な対応関係はない。ただ機能のある程度理解されている構造や範囲の限局された機能野、経路、回路などの概念があり、それらはどこかの脳葉に位置している。

出典

  1. ^ Gratiolet LP(1854) Mémoires sur les plis cerebraux de l’homme et des primates. Paris, Bertrand, , p 30.
  2. ^ a b c Pearce(2006)
  3. ^ a b c d Ribas(2010)

参考文献

関連項目

大脳脳葉
外側面 外側溝内部 と 極 内側面
大脳脳回
外側面 外側溝内部 内側面 - 上部
脳底部 - 眼窩面 脳底部 - 側頭葉下面 内側面 - 下部

「脳葉」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「脳葉」の関連用語

脳葉のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



脳葉のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの脳葉 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS