聖トマスとグンダファル王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 15:08 UTC 版)
「ゴンドファルネス」の記事における「聖トマスとグンダファル王」の解説
キリスト教徒の伝説の1つ聖トマス伝によれば、12人の使徒は各地へ分担して伝道を行うことを決め、その1人聖トマスはインドへ向かうことになったが気が進まず出発せずにいた。ちょうどその時インドの王グンダファルが大工を求めてシリアにハッバーンという名の使者を送った。そして主イエスが現れ聖トマスをインドへ行かせるためにハッバーンに聖トマスを奴隷として売ってしまった。こうして聖トマスはインドに赴き、グンダファル王に宮殿を建設するように命じられて資金を与えられたが、聖トマスはこれを貧しい人々に施してしまった。こうすることで天国に宮殿を建てることができると説いたがグンダファル王は怒り、聖トマスは幽閉されてしまった。しかし、グンダファル王の弟ガドが死んで天国に行くと、彼は聖トマスの善行によって造られた宮殿を見た。ガドは生き返り、このことをグンダファル王に伝えた。その結果グンダファル王はキリスト教に帰依した。 この伝説に登場するグンダファル王がゴンドファルネスのことであるのは確実である。彼の弟とされるガドは実在の確認ができない。ゴンドファルネスが発行したコインの中には、彼の名をグダ(Guda)、ガダ(Gada)などと省略した形で記したものがあり、これが別人の名であると誤認された結果、ガドという弟がいることになったといわれている。 ゴンドファルネスが実際にキリスト教に改宗したのかどうかについては議論がある。彼が発行した初期のコインにはニケなどが刻まれており、初期においては彼の宗教観はヘレニズムの影響下にあったとされる。後に「神に忠実なる者」など、当時あまり一般的ではない称号を用いた事で知られ、これらは彼がキリスト教に改宗したとする説においては有力な証拠とされる。
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