縮閉線とは? わかりやすく解説

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しゅくへい‐せん【縮閉線】

読み方:しゅくへいせん

エボリュート


縮閉線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/24 03:11 UTC 版)

楕円(赤)とその縮閉線(青): 楕円の頂点(黒点)はすべて縮閉線の尖点にもなっている。楕円の縮閉線は星芒形である。
法線の包絡線としての縮閉線。(要クリック)

数学、特に曲線の微分幾何学における縮閉線(しゅくへいせん、: evolute)とは、曲線の各点における曲率の中心の軌跡として得られる別の曲線をいう。曲線の法線包絡線を縮閉線と呼ぶといっても同じことである。

曲線、曲面、あるいはもっと一般に(Rn の)部分多様体の縮閉とは、その法写像の焦線(包絡線)をいう。具体的に、M を滑らかで非特異な Rn の部分多様体とし、M の各点 pp を基点として M に直交する各ベクトル v に対して、点 p + v を対応させると、これは法写像と呼ばれるラグランジュ写像を定める。法写像の焦線は M の縮閉である[1]

歴史

アポロニウス(紀元前200年頃)は著書『円錐曲線論』("Conics") の第五巻において縮閉線について記している。しかし、縮閉線について研究した最初の人はホイヘンスで1673年のことであるとする記述がしばしば見られる。

定義

弧長変数の場合

平面曲線 γ = γ(s) はその弧長変数 s によって媒介変数表示されているとする。この曲線の単位接ベクトル T(s) は、弧長を媒介変数とすることの利点として

楕円(赤)とその縮閉線(青)およびいくつかの平行曲線。縮閉線に触れるところで平行曲線が尖点を持つ様子に注目。

放射曲線

曲線の縮閉線と似た定義を持つものに、曲線の放射線(ラジアル曲線; radial)がある。これは、曲線上の各点においてその点から曲率中心へ結んだベクトルをとり、それを始点が原点となるように平行移動させるとき、そのようなベクトルの終点の軌跡として得られる曲線をいう。つまり、放射曲線の式は縮閉線の式から x, y の項を単純に除去することによって得られる。要するに、(X, Y) = (−R sinφ, R cosφ) または

牽引曲線の縮閉線は懸垂曲線である。
  • 抛物線の縮閉線は半立方抛物線である。
  • 擺線の縮閉線は同じく擺線となる。
  • 楕円の縮閉線は引き伸ばされた星芒形またはラメ曲線である。
  • 外擺線の縮閉線はより小さい外擺線になる。
  • 星芒形の縮閉線は(二倍に)大きい星型曲線になる。
  • 参考文献

    1. ^ Arnold, V. I.; Varchenko, A. N.; Gusein-Zade, S. M. (1985). The Classification of Critical Points, Caustics and Wave Fronts: Singularities of Differentiable Maps, Vol 1. Birkhäuser. ISBN 0817631879 

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