総登り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 10:02 UTC 版)
これも大当講を単位とする儀礼で、講員が山頂に登拝する。複数回行う講が多く、その場合は大当講行事に併せて登拝した後に、旧暦の3月から4月にかけて再度乃至は再再度行われ、かつては代表を選びその者を中心に講員各戸から必ず1名が参加するものとされていたが、後に講の代表者のみが登拝する風に変化した。中宮を信仰する石岡市大塚では、ある期間を設定して期間内には各戸輪番で人を出し、2名づつが「加波山日参」と書かれた菅笠を被って山頂の神社へ日参し、神社で連判帳に判を押して貰う部落が多い。またその場合に山頂で神札を授かり、その神札を嵐除けの札として部落内の辻や部落の境界に立てたり各戸の軒先に吊したりした後に、田植えに際して小正月に使った白膠木の箸に挟み田の水口に立てる。そこに表されるのは大当講行事同様の作神信仰であるが、嵐等の自然災害を防ぐ除災神的な信仰も表れており、また大塚の例では当年の農耕開始前に長期に亘る物忌みがあり、その一環として日参が課せられていた名残と見る事もできそうである。
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