給与デジタル払い
デジタル給与
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デジタル給与(デジタルきゆうよ)とは、現金払いや銀行振込に代わり電子マネーやキャッシュレス決済サービスを通じて給与を受け取る仕組み。2023年4月の労働基準法改正で導入された[1]。
概要
企業(給与支払者)のアカウントから従業員のアカウントに対して資金移動することで給与が支払われる。従業員は電子マネーやスマートフォンの決済アプリを利用して給与として利用できる[1][2]。
特徴
- 受け取り方法の多様化 - 本人の銀行口座を持たなくても、決済アプリやプリペイドカードを通じて受け取ることができる[3][4]。
- 利便性 - そのままキャッシュレス決済に利用することができ、銀行ATMでの現金化をしなくてもよい[3]。
- 海外にいる間も受取りが容易 - 海外出張や海外駐在をしている間も両替の手間なく給与を利用することができる[5]。
従来の銀行振込との比較
従来方式 デジタル給与 支払い方法 銀行口座への振込 電子マネー、キャッシュレス決済 受け取り口座 銀行口座 厚生労働省指定資金移動業者の口座 現金化の方法 ATMで現金化 そのままキャッシュレス決済として利用できるが、ATM引き出しや銀行口座への送金なども可能 残高上限 なし 100万円 利用の自由度 どの銀行でも利用可能 厚生労働省が認可した電子マネーのみ利用可能
留意点
- 従業員の同意が必要 - 使用者(給与支払者)は、従業員がデジタル給与払いに同意した場合だけ制度を利用できる[6]。
- 利用できる決済方式がまだ限定的 - 厚生労働省が指定した資金移動業者の中から選択する必要があるが、すでに広く普及している銀行振込に比べ選択肢が少ない[7]。
普及状況
2025年のMMD研究所による調査では認知度が61.9%・理解度が30.3%であり、利用しているのは2.8%であった[8]。
対応事業者
外部リンク
- 資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について 厚生労働省による解説ページ
出典
- ^ a b “デジタル給与とは?導入によるメリット・デメリットなどを解説 - 給与計算お役立ち情報 - 弥生株式会社【公式】”. 給与計算お役立ち情報 (2024年3月1日). 2025年5月1日閲覧。
- ^ “デジタル給与とは?メリット・デメリット、仕組みを解説”. カシオヒューマンシステムズ株式会社 (2024年12月12日). 2025年5月1日閲覧。
- ^ a b sbn_tc_11 (2025年3月18日). “「給与デジタル払い」が受取方法の新たな選択肢に。PayPayの「給与革命」への挑戦”. ITをもっと身近に。ソフトバンクニュース. 2025年5月1日閲覧。
- ^ “給与「デジタル払い」解禁へ 知っておきたい10の知識”. 日本経済新聞 (2021年2月10日). 2025年5月1日閲覧。
- ^ 柏村祐(テクノロジーリサーチャー) (2022年9月30日). “デジタル給与の衝撃 ~スマホに給与が振り込まれる世界は何をもたらすのか~”. 第一生命経済研究所. 2025年5月1日閲覧。
- ^ “デジタル給与とは?導入によるメリット・デメリットなどを解説 - 給与計算お役立ち情報 - 弥生株式会社【公式】”. 給与計算お役立ち情報 (2024年3月1日). 2025年5月1日閲覧。
- ^ 人事・総務(人事給与). “給与を電子マネーで支払うデジタル払いのメリットや注意点とは? |OBC360°|【勘定奉行のOBC】”. www.obc.co.jp. 2025年5月1日閲覧。
- ^ 『デジタル給与払い、認知6割超、運送や飲食中心に導入進む、メイン利用1位楽天、2位PayPay』 2025/04/30 日経MJ(松田直樹) 7面
- ^ 編集チーフ], 小林 優多郎[Tech Insider (2024年8月9日). “PayPayが国内で初めて「デジタル給与払い」に対応。2024年内にサービス開始”. Business Insider Japan. 2025年5月1日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2024年12月13日). “リクルートMUFG、1月から給与デジタル払いに対応 「Airワーク 給与支払」”. Impress Watch. 2025年5月1日閲覧。
- ^ “楽天グループ傘下が賃金のデジタル払い業者に指定、「楽天ペイ給与受取」サービスを開始(山川健)”. Web担当者Forum. 株式会社インプレス (2025年3月21日). 2025年5月1日閲覧。
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