紫外分光研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/19 14:45 UTC 版)
ホモトロピリウムカチオン構造を支持した初期の証拠のうち磁気的物性によらないものの重要な一部は、紫外(UV)スペクトルにより得られた。ウィンスタインらはホモトロピリウムカチオンの吸光ピークが古典的なシクロオクタテトラニルカチオンや内部シクロプロパン結合が完全に生じた(そして非局在化した電子状態を持つ)ビシクロ[5.1.0]オクタジエニル化合物に対して予測される値よりもかなり短波長にあらわれることをつきとめた。そして、UVスペクトルは芳香族トロピリウムイオンのものとよく似ていた。さらに計算することにより、ウィンスタインはとびでたメチレン基に隣接する二つの炭素原子の間の結合次数がトロピリウムカチオンにおける対応する炭素原子間の π結合と同程度であることを示した。この実験は非常に明らかな結果をもたらしたが、一般的にはUVスペクトルは芳香族性およびホモ芳香族性の指標としてはあまりよくないとされることに注意が必要である。
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