粟餠とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 食物 > 食品 > > 粟餠の意味・解説 

あわ‐もち〔あは‐〕【×粟餅】

読み方:あわもち

糯粟(もちあわ)を蒸してついた餅。糯米(もちごめ)をまぜたものもある。《 秋》

粟餅の画像

粟餅

読み方:アワモチ(awamochi)

粟でつくった

季節

分類 植物


粟餅

読み方:アワモチ(awamochi)

初演 明治40.3(東京・演伎座)


粟餅

読み方:アワモチ(awamochi)

初演 弘化2.1(江戸中村座)


粟餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 08:43 UTC 版)

粟餅の切り餅

粟餅(あわもち)は、をついて作ったのことである。食事として、また菓子として食される。

製法

粟には古代より主食の代用とされたうるち粟と、粘り気のあるもち粟があり、粟餅はもち粟をついて作る。作り方は各所によって差があり、もち粟のみで作るところもあれば、もち粟ともち米を等分に混ぜて作るところもある[1]。粟ともち米を混ぜる場合、両者は別々に洗い、もち粟はそのままざるに上げ、もち米は一晩水につけたのち、混ぜ合わせて蒸し、一緒につきあげる[2]

歴史

澤屋の粟餅(京都市上京区)

粟餅は古来より米の餅と同様に作られてきたが、江戸時代になると菓子として食べられるようになり、各地の盛り場などに店が立つようになった。これらの粟餅店は葦簀張りでその場で粟餅を炊きつきあげるものが多く、つきたての餅に人気が集まった[2]。とくに江戸目黒不動[1]京都北野天満宮の門前[3]のものが著名であった。恋川春町の『金々先生栄花夢』は、粟餅をたきつきあげるまでの一炊のうちに主人公が見る栄華の夢を当世風俗を盛り込んで描いたもので、黄表紙というジャンルがこれによって確立した[1]。江戸時代末期の記録として、つきあがりを一握りつかむと指の間で全く同じ大きさの4つの団子にし、1間ほど離れたきな粉の盆に投げ入れ、できた片端から盆に盛り、または竹の皮に包んで客に食わせる、というパフォーマンス(粟餅曲つき)で人気を博した粟餅屋[2]の記載が類書百科事典)『守貞漫稿』にある[4][5]。このパフォーマンスは評判を呼び、歌舞伎常磐津節の演目にもなった。特に常磐津の演目として名高い「粟餅」(花競俄曲突 はなのほかにわかのきょくづき)は、この粟餅屋を舞台としたものである[4]

現況

現在でも各地で粟餅は作られているが、食生活の変化により粟の生産が減少するにつれて粟の入手が困難になり、生産される粟も高級化を目指した品質のよいものとなっていった[6]。そのため粟の価格が上昇し、粟餅の生産は減少し、粟餅も米の餅に比べ一般的なものではなくなっていった。いっぽうで、近年の健康志向の高まりにより雑穀全般が見直され、とくに農村部において村おこしの一環として粟餅や黍餅が地元農産物の加工品として作られ販売されるようになり、切り餅の形でスーパーマーケット農産物直売所道の駅などに並ぶようになった。和菓子としては、とくに京都の北野天満宮門前にある澤屋の粟餅[1]や、伊勢市にある赤福で8月に作られる八朔粟餅磐田市見付地区の粟餅などが著名である。

脚注

  1. ^ a b c d 『事典 和菓子の世界』中山圭子 岩波書店 p13 2006年2月24日発行
  2. ^ a b c 『飲食事典』本山荻舟 平凡社 p20 昭和33年12月25日発行
  3. ^ 『京の和菓子』辻ミチ子 中央公論新社 pp27-28 2005年7月25日発行
  4. ^ a b 『事典 和菓子の世界』中山圭子 岩波書店 p14 2006年2月24日発行
  5. ^ 『江戸の生業事典』東京堂出版、1997年5月10日、11頁。 
  6. ^ 『京の和菓子』辻ミチ子 中央公論新社 p28 2005年7月25日発行

関連項目


粟餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 20:23 UTC 版)

「餅」の記事における「粟餅」の解説

粟をついて作ったもの。

※この「粟餅」の解説は、「餅」の解説の一部です。
「粟餅」を含む「餅」の記事については、「餅」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「粟餠」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「粟餅」の例文・使い方・用例・文例

  • 粟餅という餅
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



粟餠と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「粟餠」の関連用語

粟餠のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



粟餠のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの粟餅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの餅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS