等圧過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 00:12 UTC 版)
「定圧過程」も参照 外圧 pex の環境にある系が、ある平衡状態から別の平衡状態へ変化する過程を考える。系の体積変化に伴う仕事以外の仕事がないとき、すなわち非膨張仕事がないときには、系が外部に為す仕事は W = p ex Δ V {\displaystyle W=p_{\text{ex}}\Delta V} であり、系が外部から受け取る熱 q はエネルギー保存則から q = Δ U + W = Δ U + p ex Δ V {\displaystyle q=\Delta U+W=\Delta U+p_{\text{ex}}\Delta V} となる。等圧条件下では変化の前後で p=pexなので、エンタルピーの定義から Δ H = Δ ( U + p ex V ) = Δ U + p ex Δ V {\displaystyle \Delta H=\Delta (U+p_{\text{ex}}V)=\Delta U+p_{\text{ex}}\Delta V} となる。従って q = Δ H {\displaystyle q=\Delta H} が成り立つ。つまり、非膨張仕事がない等圧過程においては、系に与えた熱 q が系のエンタルピーの変化と等しくなっている。 温度 Tex の環境にある系内での化学反応において、系から外部に放出された熱は反応熱 Q に等しい。系から外部に放出された熱は、系が外部から吸収する熱と符号が逆になるから Q = − q = − Δ H {\displaystyle Q=-q=-\Delta H} が成り立つ。つまり、熱浴の温度と外圧が一定の化学反応においては、非膨張仕事がなければエンタルピー変化と反応熱は符号が逆で大きさが等しい。
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