第7場 一力茶屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 07:45 UTC 版)
拍子木の音で幕が開くと、祇園の一力茶屋(いちりきぢゃや)の艶やかな場面となる。由良之助は仇討ちの意思を隠蔽するために酒色にふけっており、その様子を伴内が密かに偵察している。 義太夫「月の入る、山科よりは一里半、息を切ったる嫡子力弥。内を透かして正体なき父が寝姿、起こすも人の耳近しと、枕許(まくらもと)に立ち寄って、轡(くつわ)に代わる刀の鍔音(つばおと)、鯉口(こいぐち)ちゃっと打ち鳴らせば・・・」 そこに由良之助の息子力弥が到着し、仇討ちに関する密書を由良之助に届ける。 義太夫「折に二階へ、勘平が妻のおかるは酔い醒まし、はや郭(さと)馴れて吹く風に…」 一力茶屋の二階には遊女となったおかるが偶然居合わせ、手鏡を使って由良之助の密書を覗く。一方、伴内は床下に潜り込んで密書を盗み読むが由良之助に気付かれ殺される。その後の由良之助とおかるのデュエットでは、黒衣(くろご)によって由良之助とおかるは操り人形のように動かされるが、これはベジャールが『仮名手本忠臣蔵』の原点である文楽を意識するとともに、運命に翻弄される人間を表現したものである。 由良之助は遊女となったおかるを憐れみ、その身を案じる。定式幕が引かれて一力茶屋の場が終わる。
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