第2楽章「陰気な土地、霧の土地」
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「交響曲第1番 (チャイコフスキー)」の記事における「第2楽章「陰気な土地、霧の土地」」の解説
Adagio cantabile ma non tanto - Pochissimo più mosso 変ホ長調、4/4拍子、序奏-A-B-A-B-A-コーダというロンド形式。(コーダで序奏主題が回帰するので、A-B-C-B-C-B-Aという見方も可能である。)1866年にチャイコフスキーが訪れたラドガ湖の印象ともいわれる。 序奏は弱音器を付けたヴァイオリンの柔らかく物語るような旋律。主要主題Aは、旋律の後半はハ短調に傾き、哀調を帯びたもの。はじめにオーボエ、二回目にチェロ、三回目はホルンでそれぞれ歌われる。この旋律は序曲『雷雨』作品76の中でも使用されている。ポキッシモ・ピウ・モッソの副主題(B)は主要主題の素材を用いた軽いエピソード的なもので、変イ長調でフルートにより奏されてからヴァイオリンに引きつがれる。まもなく主部が回帰し、今度は主要主題がヴィオラで展開的に取り扱われる。次いで副主題が変ホ長調で再現された後、主部が華麗に回帰する。ホルンにより主要主題が変形して奏され、クライマックスを作る。これが収束するとコーダとなり、ヴァイオリンの序奏主題が還ってきて締めくくる。
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