童謡「ハートの女王」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:18 UTC 版)
「ハートの女王」の記事における「童謡「ハートの女王」」の解説
『不思議の国のアリス』第11章の裁判の場面では、ハートのジャックに対する罪状として、白ウサギが以下の詩を読み上げる。 The Queen of HeartsShe made some tarts,All on a summer's day;The Knave of HeartsHe stole the tarts,And took them clean away. ハートの女王タルトつくった夏の日 1日中かけてハートのジャックタルト盗んだタルトを全部もってった この詩はキャロルの創作ではなく、『ヨーロピアンマガジン』誌1782年4月号に掲載されていた四連の詩をそのまま流用したものである。引用部分はこの詩の一連目の前半であり、もとの詩は以下のように続く。 The King of Hearts Called for the tarts,And beat the Knave full sore;The Knave of HeartsBrought back the tarts,And vowed he'd steal no more. ハートの王様タルト返せとジャックを何度もむち打ったハートのジャックタルト返したもうしませんと約束した 『ヨーロピアンマガジン』掲載の詩ではここからさらにスペード、クラブ、キングのそれぞれの絵札たちの騒動が一連ずつ描かれている。しかし『不思議の国のアリス』ではハートの女王のみが扱われているために、もっぱら一連目のみが歌われるようになった。のちにマザー・グース集にも取り入れられたが、この詩が著名になったのはキャロルが作中で使用したためらしい。なお童謡編纂者のオーピー夫妻は、『ヨーロピアンマガジン』掲載の詩が、もっと古い童謡を第一連として、それに新たに三連を加えたものである可能性を指摘している。
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