童話集『注文の多い料理店』広告ちらしによる説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 16:05 UTC 版)
「イーハトーブ」の記事における「童話集『注文の多い料理店』広告ちらしによる説明」の解説
賢治が生前に出版した唯一の童話集である『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』の宣伝用広告ちらしの文章には、「イーハトヴ」について以下のような説明がなされている。この広告文自体は無署名だが、内容等から賢治自身によるものと推定されている。 「イーハトヴとは一つの地名である。強て、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や、少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは、著者の心象中に、この様な状景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である。」 なお文中に出てくる「大小クラウス」はアンデルセンの『小クラウスと大クラウス』、「少女アリス」はルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』、「テパーンタール砂漠」はインドの詩人タゴールの詩篇「旅人の国」「渡し守」、「イヴン王国」はレフ・トルストイの『イワンのばか』からの引用である。
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