空売りの流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 15:39 UTC 版)
空売りの流れを簡略化すると以下のようになる。金額は例としての値である。 投資家は証券会社から株を借り、それを市場で100円で売る。投資家は株を売った代金100円を得る。 後日、当該株価が下がり市場で同じ数量の株を代金90円で買い株式を手に入れる。 この90円で買った株式を証券会社に返却する。差額の10円が投資家の手元に残り、これが投資家の利益になる。 実際には投資家は売買に関する手数料のほか、株を借りたことによる貸株料を証券会社に支払う。証券会社ははじめの売却代金である100円を預かるので、その金利(日歩)を投資家に支払う。ただし売り長で株不足になった場合には金利を支払わなくてはならない場合があり、これを品貸料あるいは逆日歩と呼ぶ。 空売りでは投資家が証券会社から株を借りるので、投資家と証券会社との間に信用関係があることが条件になる。空売りのような行為は信用取引と呼ぶ。このため空売りを行うには証券会社に信用取引口座を開設する必要がある。 もし空売りした株の値段が予想に反して上昇した場合でも投資家は証券会社に株を返却しなくてはならないので、空売りした時よりも高い値段で株を買い戻さなくてはならない。この場合には投資家は損をする。空売りによる利益は倒産等による株式の無価値化の場合に最大となり、その金額は空売りを行った金額以下(上記例では100円、実際には株価は0円にはならないのでそれ以下)に限定される。一方で株価が予想に反して上昇した場合には、損害が天井知らずという危険性を持っている。このことは「空売りの損失は青天井」、「買いは家まで 売りは命まで」という格言に象徴される。 決算期末の権利確定日までに現物を売りたいが同時に株主としての権利を得たい場合に空売りを行うことがあり、この場合は「つなぎ売り」と呼ばれる。
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