種の範囲の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/28 09:00 UTC 版)
この属として記載された種数は50を越えるが、それらがすべて認められるとは言いがたい。新種記載の一回きりしか記録されないものもある。このような問題が生じるのは、一つには宿主と共に培養する問題がある。 一般に植物や菌類では成長時の条件で大きさや形が随分変わる例が多く、異なった条件下で育ったものは、別種のように見えることもある。高等植物ならば細部の構造に特徴を見いだすことも可能であるが、菌類のように小さいものの場合、構造そのものが単純なので、そのような特徴は期待し難い。菌類の場合、培養することで環境条件を自ら設定することが可能だから、これを一定にして比較するのが分類上の重要な意味を持つ。多くのカビでは、培地を選択する際に、その群で標準的とされる培地を選ぶことでこれを行う。 ところが、この類の場合、培地を決めても、実際に菌が栄養を得るのは宿主を通じてである。宿主が異なれば、言わば培地が異なっているようなもので、これを単純に比較するわけには行かない。そのため、上記のように標準的な宿主としてCokeromyces が指定されたり、純粋培養が試みられたりしているが、いずれも常に利用可能な方法ではない。
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