神経変性疾患とリン酸化ニューロフィラメント封入体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:38 UTC 版)
「ニューロフィラメント」の記事における「神経変性疾患とリン酸化ニューロフィラメント封入体」の解説
認知障害、錐体路症状、錐体外路症状を示す後天性神経変性疾患の一部で神経細胞への中間径フィラメント封入体形成を特徴とする病態が注目されている。封入体には過剰リン酸化されたNF-H、NF-Mの沈着が証明されている。NF-H、 NF-Mのような長鎖ニューロフィラメントは生理的レベルでもリン酸化された蛋白として軸索内を中心に分布が認められるが、過剰リン酸化により変性した中間径フィラメントが封入体となって神経細胞体に沈着することで細胞死や神経伝達機能の障害が起き、神経学的異常の原因となっていることが示唆されている。このような病的リン酸化に過程でサイクリン依存性キナーゼ群(cyclin-dependent kinase family;cdc2, cdk4, cdk5など)の諸酵素の異常活性化が関係していることが種々の実験事実から明らかにされている。こうした病態の解明を目的にサイクリン依存性キナーゼの活性化のメカニズムやその制御についての活発な研究が続いている。
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