確率論における応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 14:01 UTC 版)
確率論において、ポアソン過程はもっとも単純な場合には「発生」がランダムな時間で引き起こされるような確率過程で、次の発生までの待ち時間が無記憶指数分布に従い、任意の時間間隔における発生回数は(期待値が時間間隔の長さに比例するという)ポアソン分布にしたがう。さて、Xt を時刻 t までの発生回数とし、Tx を x-番目の発生までの待ち時間として、確率変数 Tx の確率密度関数を求めよう。ポアソン分布の確率質量関数を用いれば Pr ( X t = x ) = ( λ t ) x e − λ t x ! {\displaystyle \Pr(X_{t}=x)={\frac {(\lambda t)^{x}e^{-\lambda t}}{x!}}} がわかる。ここで λ は任意の時間間隔 1 での発生回数の平均値である。 [Xt ≥ x] なる事象は [Tx ≤ t] なる事象と同じことであり、したがって同一の確率を持つ。したがって、求める密度関数は f ( t ) = d d t Pr ( T x ≤ t ) = d d t Pr ( X t ≥ x ) = d d t ( 1 − Pr ( X t ≤ x − 1 ) ) = d d t ( 1 − ∑ u = 0 x − 1 Pr ( X t = u ) ) = d d t ( 1 − ∑ u = 0 x − 1 ( λ t ) u e − λ t u ! ) = λ e − λ t − e − λ t ∑ u = 1 x − 1 ( λ u t u − 1 ( u − 1 ) ! − λ u + 1 t u u ! ) {\displaystyle {\begin{aligned}f(t)&{}={\frac {d}{dt}}\Pr(T_{x}\leq t)={\frac {d}{dt}}\Pr(X_{t}\geq x)={\frac {d}{dt}}(1-\Pr(X_{t}\leq x-1))\\[6pt]&{}={\frac {d}{dt}}\left(1-\sum _{u=0}^{x-1}\Pr(X_{t}=u)\right)={\frac {d}{dt}}\left(1-\sum _{u=0}^{x-1}{\frac {(\lambda t)^{u}e^{-\lambda t}}{u!}}\right)\\[6pt]&{}=\lambda e^{-\lambda t}-e^{-\lambda t}\sum _{u=1}^{x-1}\left({\frac {\lambda ^{u}t^{u-1}}{(u-1)!}}-{\frac {\lambda ^{u+1}t^{u}}{u!}}\right)\end{aligned}}} であり、この和はほとんどが打ち消しあって、 f ( t ) = λ x t x − 1 e − λ t x ! {\displaystyle f(t)={\frac {\lambda ^{x}t^{x-1}e^{-\lambda t}}{x!}}} だけが残る。
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