硫化スカンジウム(III)とは? わかりやすく解説

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硫化スカンジウム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 14:36 UTC 版)

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硫化スカンジウム(III)
識別情報
CAS登録番号 12166-29-9 
PubChem 166646
ChemSpider 145824
EC番号 235-320-1
特性
化学式 Sc2S3
モル質量 186.11 g/mol
外観 黄色結晶
密度 2.91 g/cm3(固体)
融点

1775 °C, 2048 K, 3227 °F

構造
結晶構造 斜方晶
関連する物質
その他の陰イオン 酸化スカンジウム
その他の陽イオン 硫化イットリウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫化スカンジウム(III)(Scandium(III) sulfide)は、スカンジウム硫黄からなる化合物で、化学式はSc2S3である。黄色い固体である。

構造

結晶構造は、塩化スカンジウムとよく似ており、アニオンが同一球の最密充填の状態に配列している。塩化ナトリウムでは、アニオン格子の八面体の全ての隙間にカチオンがあるが、硫化スカンジウムの場合、その3分の1は空である。空の位置は非常に複雑なパターンで並んでおり、空間群Fdddの大きな斜方晶型の単位胞となっている[1]

合成

金属硫化物は、2つの元素の混合物を加熱することで合成されるが、スカンジウムの場合、この方法では一硫化物である一硫化スカンジウムが生じてしまう。硫化スカンジウム(III)は、グラファイトるつぼ内で硫化水素を流しながら、1550℃以上で2-3時間加熱することにより合成できる。粗生成物は、輸送剤としてヨウ素を用いて、950℃で化学蒸気輸送を行うことにより精製できる[1]

Sc2O3 + 3H2S → Sc2S3 + 3H2O

徐々に温度を上げながら乾燥硫化水素と塩化スカンジウム(III)を反応させることでも得られる[2]

2 ScCl3 + 3 H2S → Sc2S3 + 6 HCl

反応

1100℃以上で硫黄を失い、Sc1.37S2等の不定比化合物を生じる[1]

出典

  1. ^ a b c Dismukes, J. P.; White, J. G. (1964). “The Preparation, Properties, and Crystal Structures of Some Scandium Sulfides in the Range Sc2S3-ScS”. Inorg. Chem. 3 (9): 1220–1228. doi:10.1021/ic50019a004. 
  2. ^ Klemm, W.; Meisel, K.; v. Vogel, H. U. (1930). “Über die Sulfide der seltenen Erden (Sulfides of the rare earths)”. Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie 190: 123–144. doi:10.1002/zaac.19301900113. 



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