りゅうか‐けいそ〔リウクワ‐〕【硫化×珪素】
硫化ケイ素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/27 09:56 UTC 版)
硫化ケイ素(硫化珪素、りゅうかけいそ)(英語、silicon sulfide)とは、ケイ素に硫黄が化合した化合物である。一硫化ケイ素と二硫化ケイ素とが知られているものの、いずれも不安定な化合物である。
一硫化ケイ素
| 物質名 | |
|---|---|
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別名
silicon monosulfide |
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| 識別情報 | |
| ECHA InfoCard | 100.033.935 |
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日化辞番号
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| SSi | |
| モル質量 | 60.15 g·mol−1 |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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一硫化ケイ素(英語、silicon monosulfide)は、黄色の針状結晶をしている。SiS。比重1.853 (g/cm3)。水とは激しく反応し、一硫化ケイ素は分解して、水酸化ケイ素と硫化水素となる。空気中に存在する水分に曝されるだけでも分解が起こるくらい、水に対して不安定である。またエタノールとも反応して、やはり一硫化ケイ素は分解する。
一硫化ケイ素の製法は、
以上のいずれかの組み合わせの混合物を、1000℃以上に加熱して反応させて生成した物を、真空昇華法によって精製すると得られる。
二硫化ケイ素
| 物質名 | |
|---|---|
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別名
silicon disulfide |
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| 識別情報 | |
| ECHA InfoCard | 100.033.935 |
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PubChem CID
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日化辞番号
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| S2Si | |
| モル質量 | 92.21 g·mol−1 |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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二硫化ケイ素(英語、silicon disulfide)は、白色の針状結晶、または、灰色の針状結晶をしている。SiS2。比重2.02 (g/cm3)。融点1090℃。水に接触するのはもちろんのこと、空気中に存在する水分によってですら、二硫化ケイ素は分解して、水酸化ケイ素と硫化ケイ素となる。また、空気中で加熱すると、燃焼して酸素と化合し、二酸化ケイ素と二酸化硫黄となる。なお、エタノールと二硫化ケイ素が反応すると、オルトケイ酸テトラエチルを生ずる。
参考文献
- 化学大辞典編集委員会 編集 『化学大辞典 (縮刷版) 9』 p.654 共立出版 1964年3月15日発行 ISBN 4-320-04023-6
脚注
- ^ “Silicon monosulfide”. NIST Chemistry WebBook. The National Institute of Standards and Technology(NIST) (2017年). 2018年2月21日閲覧。
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