督撫の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/19 05:29 UTC 版)
清では巡撫は一省を担当するが、総督は隣接する数省を担当する。が、総督にも四川総督、直隷総督など一省だけを担当するものもあれば、山東省のように巡撫だけを設けて総督を置かないものもある。督撫の役割は似たようなもので、地方の民政、司法、軍隊を管轄する。その区別はただ官位(官職級)が異なるだけで、総督と巡撫もお互いに隷属関係にはないが、職能的には監督し合っている。 総督の正式名称は「兵部右侍郎、都察院右都御史総督どこそこ地方、提督軍務糧餉」加級すると「兵部右侍郎」が「兵部尚書」に変わる 少数存在した、駐留する省の巡撫を兼ねている総督(清末ではすべて)は「兼巡撫事」と付記する。またある者は専務を兼ねている。たとえば両江総督は「操江、統轄南河事務、兼理両淮鹽政」が付く 巡撫の正式名称は「都察院右副都御史巡撫どこそこ地方」加級すると「兵部右侍郎」を付加する あるものは「提督軍務糧餉」を付加する。普通は専務を兼務しない (注:尚書、侍郎、右都御史、右副都御史などの部堂は加級であり、職務上の上下関係・隷属関係などはなく、その違いはあくまで付帯的なものである。) 総督官署によると、総督部院または部堂の衙門(役所)は、民間では「轅門」と呼ばれており、映像作品などとは異なり「総督府」とは呼ばれていなかった。たとえば、両江総督部院、両江総督轅門といったかたちである。部とは兵部であり、院とは都察院のことである。総督の自称は部・院の堂官と同じで、「本部堂」または「本院」である。
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