相互独立と因果関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/04 23:30 UTC 版)
「モナド (哲学)」の記事における「相互独立と因果関係」の解説
一般にモナドロジーは因果関係を否定したものと受け取られることが多い。しかし、ライプニッツが「窓がない」という言い方で主張しているのは、因果関係に関する、当時支配的だった特定の考えである。 物が物に作用するというとき、ひとつのありうるモデル、描像としては、作用するモナドから何かが出て、作用されるモナドの中へ入るという構図が考えられる。たとえば通信のモデルで、伝達を、メッセージが一方から出て他方へ入ると理解するように、力の作用も、押すモナドから「力」が出て押されるモナドに「力」が入ることで、押されるモナドの内部の構成が変化する、これが因果関係であるというようなモデルである。 これに対してライプニッツは、複合的な粗大な物体の場合は、媒介物の移動で作用を説明することができる場合もあるが、つきつめれば、モナドは部分や構成要素を持たないのだから、「外から何かが中に入る」ことはありえず、因果関係や作用は「外的な対応する変化」であって、「内的な何かのやり取り」としては理解できない、と主張しているのである。 したがって、この限りで、ライプニッツの主張は、決してとっぴではない。
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