直交函数系とは? わかりやすく解説

直交関数列

(直交函数系 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/14 00:25 UTC 版)

数学において直交関数列(ちょっこうかんすうれつ、: orthogonal functions)とは互いに直交する関数列の事である。

定義

区間 (α, β) (−∞ ≤ α < β ≤ ∞) 上で定義された複素数値関数 f(x), g(x) に対し

は、積分が有限値として存在するならば、内積となる。

(α, β) 上の複素値関数の列 {φn(x)} が、この内積に対し、互いに直交し、

であるとき、直交関数列であるという。

特に直交関数列のうち、ノルム1、すなわち

であるものものを正規直交関数列という。

また、実数値関数の列 {φn(x )} とある関数 w(x) ≥ 0 に対し、{(w(x))1/2φn(x)} が直交関数列をなし、

であるとき、この関数列を重み(荷重)w(x)直交関数列という。

三角関数形

余弦関数系

1と余弦関数による列{1, cosx, cos2x, cos3x,…}は区間 [0, π] で直交関数系を成す。

正弦関数系

正弦関数による列 {sinx, sin2x, sin3x,…} は区間 [0, π] で直交関数系を成す。

三角関数系

{1, cosx, sinx, cos2x, sin2x,…} は [-π, π] で直交関数系を成す。

直交多項式

エルミート多項式

関係式

  

で定義されるエルミート多項式は区間 (−∞, ∞) 上の重み ex2/2 の直交関数系であり、

  

を満たす。

ルジャンドル多項式

関係式

  

で定義されるルジャンドル多項式は区間 [−1, 1] 上の直交関数系であり、

  

を満たす。

ラゲール多項式

関係式

  

で定義されるラゲール多項式は区間 [0, ∞) 上の重み ex の直交関数系を成し、

  

を満たす。

チェビシェフ多項式

関係式

  

で定義されるチェビシェフ多項式は区間 [−1, 1] 上の重み (1 − x2)−1/2 の直交関数系を成し、

  

を満たす。

ゲーゲンバウアー多項式

関係式

  

で定義されるゲーゲンバウアー多項式は区間 [−1, 1] 上の重み (1 − x2)α − 1/2 の直交関数系を成し、

  

を満たす。

完備関数列

直交関数列で、

となるもののことを言う。

三角関数列

関連項目


直交函数系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 14:49 UTC 版)

直交」の記事における「直交函数系」の解説

詳細は「直交函数系」を参照 たとえば、区間 (-π, π) で二乗可積分実数値関数f(x)2, g(x)2 を区間[0,2π]で積分した結果有限値を持つ)について全体のなすベクトル空間 L2(-π, π) は f, g に対し内積 ⟨ f , g ⟩ = ∫ − π π f ( x ) g ( x ) d x {\displaystyle \langle f,g\rangle =\int _{-\pi }^{\pi }f(x)g(x)\,dx} をもち、L2(-π, π) の二つ関数 sin x, cos x はこの内に関して直交する。もっと一般に集合 {1, sin nx, cos mx | n, m ∈ N} は L2(-π, π) の直交基底になる。

※この「直交函数系」の解説は、「直交」の解説の一部です。
「直交函数系」を含む「直交」の記事については、「直交」の概要を参照ください。

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