皇統を守る会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 14:14 UTC 版)
皇統を守る会(こうとうをまもるかい)は、日本に存在する一般社団法人。皇統を守る国民連合の会とも称する。
概要
皇室の伝統を守り、男系男子による皇位継承を維持するということを目的とし、皇室の歴史的価値を保護して、日本の社会秩序や文化的アイデンティティの維持に寄与することを目指す。国際社会での批判に対しては、積極的に反論して日本独自の皇位継承制度の意義を訴えていくことを目指す[2]。
2020年2月25日には国会内で会見を行う。歴史を通じて連綿と守られてきた皇統が断絶すれば日本が日本ではなくなるという憂慮すべき事態になると訴える。この会見が発足してから初の公の場であり、全員が和装で会見に臨んだ[1]。皇位継承について、伝統的な男系を維持するために旧宮家が皇籍に復帰するということを訴える。女系天皇や女性天皇になれば万世一系の皇統が途絶えてしまうとして反対をする[3]。このようなことは本来は国民や政治家が取り上げる問題ではないが、日本の国体を壊そうとする勢力が強いために日本を引っ張っていく活動が必要と訴える[4]。
国際連合の女性差別撤廃委員会が、皇位継承を男系男子に限定するのは女性差別撤廃条約に相容れないとして皇室典範の改正を勧告してきたことに対して、一つの価値観を押し付けるのではなく互いに尊重しあうことが重要であるとして反論する意見書を国際連合に提出することにした。このような不当な干渉が続くならば、国連分担金の見直しや女性差別撤廃委員会脱退も視野に入れるべきとした。王位継承も含む各国の伝統に基づく国家の基本をなす事項は主権ある当事国が決めるべきことであるため、国際連合が口を出すべきことではないとした[5]。天皇は王であり、ローマ教皇やイスラム聖職者やダライ・ラマ法王などは男性なのに国際連合はこれを女性差別とは言わないのに、なぜ日本にだけこのように言うのかと主張[6]。
2024年にスイスのジュネーブで開催された国連女性差別撤廃委員会では、皇統を守る会にスピーチをする機会が与えられていた。それの事前に英語のパンフレットも用意して配布するということもしていた。ここでは天皇は祭祀王であるということをアピールしていた。最終日の日本政府代表団に対する審査会では、キューバの委員は皇室典範に言及して、天皇に関しては宗教的や文化的な側面があることは理解しているという前置きがされた。ここで宗教的という言葉が入ったということについて、皇統を守る会は我々の意思が一定程度は伝わった証とした[7]。
第17回「真の近現代史観」懸賞論文で皇統を守る会の理事が最優秀藤誠志賞を受賞[8]。
第27回参議院議員通常選挙では皇統を守る会のメンバーが参政党から立候補して当選した。この人物は2023年に皇統を守る会の公式チャンネルで、兵役があれば徴兵制が担ってきた教育的な役割や学校では教えられないことを教えることができたり体験することができると発言していた。選挙の演説では核武装に賛同するような発言をしていた[9]。
脚注
- ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2020年2月26日). “女性言論人「皇統を守る会」が男系維持を訴え”. サンスポ. 2025年7月21日閲覧。
- ^ “皇統を守る国民連合の会(一般社団法人皇統を守る会)入会のご報告🎌この会は、皇室の伝統を守り、男... - 岩田まさかず(イワタマサカズ) | 選挙ドットコム”. 選挙ドットコム. 2025年7月21日閲覧。
- ^ 産経新聞 (2020年2月25日). “旧宮家の皇籍復帰訴え 女性有識者「皇統を守る会」”. 産経新聞:産経ニュース. 2025年7月21日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年2月26日). “「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」創設記者会見 赤尾由美氏「日本の国体、引っ張る活動が必要」”. zakⅡ. 2025年7月21日閲覧。
- ^ 慎平, 奥原 (2024年11月26日). “国連の皇室典範改正勧告、葛城奈海氏「削除」求め反論書提出へ 会見で分担金見直しも訴え”. 産経新聞:産経ニュース. 2025年7月21日閲覧。
- ^ “ついに国連が「男系男子限定」に勧告…宗教学者が断言「皇室典範改正→愛子天皇実現への初手はこれしかない」 そもそも皇統を男系男子に限る根拠は極めて薄弱である”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2024年11月13日). 2025年7月21日閲覧。
- ^ 葛城奈海 (2024年11月21日). “【葛城奈海 戦うことは「悪」ですか】国連女性差別撤廃委員会で感じた「対面で伝える重要性」 左派の長く組織的に行う点は学ばなければ 日本文化の魅力と威力にも助けられた(1/2ページ)”. zakⅡ. 2025年7月21日閲覧。
- ^ “世界に類を見ない皇統を日本人は全力で守るべき”. 月刊誌アップルタウン. 2025年7月21日閲覧。
- ^ “参政党候補のさや氏「核武装は安上がり」 入党前には徴兵制に言及:朝日新聞”. 朝日新聞 (2025年7月18日). 2025年7月21日閲覧。
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