白い3人と赤い2人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 10:09 UTC 版)
初期に座主を務めたコンチョク・ギェンポ、サチェン・クンガ・ニンポ、ソナム・ツェモの3人は親、子、孫の関係で、「白い3人」と呼ばれる。チベットでは赤は出家者の色、白は在家者の色とされ、「白い3人」は在家者であることを意味している。 3代目座主でサチェン・クンガ・ニンポ (en:Sachen Kunga Nyingpo) (1092年 - 1158年) は、タントラの教えをドクミ翻訳官、Bari翻訳官、Mal翻訳官ら大勢のチベット人翻訳官「ローツァーワ」 (en:lotsawa) から受けた。ドクミはサキャ派で最高の教えとされるラムデ (lam 'bras:道果) 法の体系を授けた。また、Bari翻訳官は数多くの輪廻に関するタントラの教義を導いた。サチェン・クンガ・ニンポは『密教概論』を著し、サキャ派の教義の基盤を作り、「偉大なサキャパ(=サチェン)」と呼ばれるようになった。サチェン・クンガ・ニンポと、その後の座主ソナム・ツェモ、ジェツン・タクパ・ギェンツェン、サキャ・パンディタ、パクパの5人はサキャ派の「五大先師」と呼ばれている。 4代目座主のソナム・ツェモ (en:Sonam Tsemo) (1142年 - 1182年) は、分量としてはサチェン・クンガ・ニンポの著書の6倍ほどの分量がある『密教概論』を補記する書を作った。ソナム・ツェモはチベットの論理学者チャパ・チューキセンゲ (Phya pa chos kyi seng ge, 1109年 - 1169年) の下で7年間学んだこともあり、サチェンよりも顕教的素養が大きい。 5代目・6代目の2人は「赤い2人」と呼ばれる。5代目座主はジェツン・タクパ・ギェンツェン (en:Jetsun Dragpa Gyaltsen) (1147年 - 1216年)、6代目座主はサキャ・パンディタ (1182年 - 1251年) である。
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