畜産業との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 01:21 UTC 版)
抗菌薬を畜産業において家畜に投与しておくと、肥育を行い易いとして、例えば、テトラサイクリン系抗菌薬、ペニシリンなどと同様に、スピラマイシンも、家畜の肥育目的で使用されてきた。この結果、これらの抗菌薬に耐性を有した細菌が、環境中に多く出現していった。 スピラマイシン耐性菌に対して、スピラマイシンを用いても、当然のように無効である。さらに、ある抗菌薬に対して耐性を有する細菌が存在している状態で、その抗菌薬を使用すると、共存していた、その抗菌薬に耐性を有さない細菌だけが打撃を受けて、耐性を有する細菌は栄養分を独占し、一気に勢力を伸ばす菌交代現象を引き起こす場合もある。例えば、スピラマイシンに対して耐性を有さない細菌が大増殖して感染症が起きていた状態で、仮に体内に病原性は弱いもののスピラマイシン耐性の細菌が共存していた場合には、今度はスピラマイシン耐性の細菌が大増殖して、新たな感染症が顕在化する事も起こり得る。このような耐性菌の問題もあり、家畜に多用した抗菌薬を、ヒトの感染症の治療での使用を避ける傾向が出た。
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