甲状腺機能亢進症治療薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:47 UTC 版)
甲状腺の腫脹等により、甲状腺機能が異常に高まった状態である甲状腺機能亢進症の治療として、甲状腺ホルモン合成を抑制する抗甲状腺剤のほか、ヨウ素剤による治療も行われる。これは、安定ヨウ素と、ヨウ素の放射性同位体が用いられる。 安定ヨウ素剤での治療は、人がヨウ素の短期間での過剰摂取を行うと、甲状腺ホルモン分泌が一時的に抑制されること(ウォルフ・チャイコフ効果、Wolff–Chaikoff effect)を利用するものである。この効果は永続的でなく、健常者では数週間で通常に戻る。これをエスケープ現象と呼ぶ。 また、放射性同位体を用いた治療(アイソトープ治療)として、放射性同位体であるヨウ素131 (131I) が用いられる。これは同製剤を服用することにより放射性同位体を甲状腺に蓄積させ、同位体がβ崩壊する際の放射線により甲状腺の機能を部分的に破壊することで、甲状腺の機能を低下させるものである。一般に、甲状腺腫が大きかったり、抗甲状腺薬への副作用や、抗甲状腺薬による寛解が見られない場合に行われる。
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