生首と湖の由来譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 07:09 UTC 版)
『フィン歌集』中「フィンの盾」によれば、バロルの首はある樫の木の枝分かれに梟首され、毒気を含んだその木はやがてフィン・マックールの盾の木材とされたとされる。 「トーリー島のバロル」の民話と、これと近似したアイルランド語の稿本でも、長腕のルイ(ルー)がバロルの生首を岩のうえに晒し、そこから毒の滴がしたたり湖ができたとされる。アイルランド語版は湖名(地名)を示さないが、カーティンが英語で所収した版では、語り手の地元のドニゴール県のグウィドー湖とされている。 しかし、別の伝承(スライゴー県)によれば、バロルは、その魔眼とガラス(望遠鏡・遠眼鏡のたぐい、レンズ、あるいは片眼鏡か)を使って人を殺し、モイツゥラ(マグ・トゥレド)の原の植物を枯らしていたが、ある勇者が現れ、バロルをたぶらかしてその眼鏡をはずさせた隙に目を潰した、するとその血が溜り溜まって「眼の湖」を意味する'Lochan na Súil と呼ばれるようになった。これはバリンドゥーン修道院(英語版)跡の近くにあるナスール湖のことである。
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