甘粕景繼とは? わかりやすく解説

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甘糟景継

(甘粕景繼 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 04:50 UTC 版)

 
甘糟 景継
時代 戦国時代 - 江戸時代初期
生誕 天文19年(1550年
死没 慶長16年5月12日1611年6月22日
改名 清長→景継→清長
別名 藤右衛門、甘粕景継
主君 上杉謙信景勝
氏族 登坂氏→甘糟氏
父母 父:登坂清高
吉継、長継
特記
事項
上杉二十五将の一人
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甘糟 景継(あまかす かげつぐ)は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将越後上杉氏の家臣。越後上田衆。なお、姓は「甘粕」の表記の場合もある。

実戦はもとより、戦略眼・戦術構築等、武勇全般に優れた武将として上杉二十五将に数えられている。

生涯

上田長尾家譜代の家臣登坂加賀守清高の子。天正5年(1577年)、上杉謙信の指示により戦死した甘糟継義の名跡を継ぎ、藤右衛門清長と名乗ったが、後に主君上杉景勝の一字を賜り景継と改名した[1]。なお、晩年に「清長」と改名している。

天正5年(1575年)に護摩堂城主、天正11年(1583年)には、景勝により五泉城主に任じられ、文禄2年(1593年)には庄内酒田城代となり、慶長3年(1598年)に主家の移封に従い会津へ移り白石城代を務め、2万石を知行した。

慶長5年(1600年)、徳川家康による会津征伐に対して守りを固めていたが、「御家中諸氏略系譜」(『上杉家御年譜』)の記述によれば、景勝の命で会津参府中の留守の隙を突かれて、7月24日に伊達政宗によって白石城を奪われた。慶長6年(1601年)の米沢移封後は6600石を知行している。慶長11年(1606年)、桜田御門普請の頭取を務め、将軍家より時服と銀子を賜った。軍記物等では、妻の急死により会津へ戻った留守中に白石城を奪われたとし、そのことで景勝の怒りを買い死罪になりかけたり、以後景勝から冷遇をうけ、直江兼続の一配下に左遷された等の記述があるが、一次史料からは実証できない[2]

慶長16年(1611年)5月12日に死去。寛永10年(1633年)に書かれた「甘糟家先祖書」にはゆえあって自害とあり、6600石は取り潰されたとあるが理由は不明。景勝の死後の寛永元年(1624年)、その子供たちは次代藩主・上杉定勝によって300石・200石で上杉家に復帰することを許されたとされる[3]。また、寛永5年12月18日(1629年1月12日)に米沢北山原で家族と共に斬首され、平成19年(2007年)に日本におけるキリスト教殉教者187名中の1人として列福された右衛門信綱(洗礼名ルイス)は、景継の次男とされるが、「侍組禄席掌故」(『上杉文書』)寛永3年(1626年)11月の記録に信綱の名前が認められない、復帰が許されたなら、長男と三男の名前が「侍組禄席掌故」に認められ、次男と言われる信綱の名前が認められないのはおかしく、明らかに誤りである(寛永3年の記録は、寛永5年の殉教前であり記録を抹消される理由も又、抹消された形跡もない)。従って、当時、在勤中であった、甘粕丹後守重政の長男であると推測される。重政の嫡子として禄を相続するので父の在勤中に禄はなく、「侍組禄席掌故」に信綱の名前を認められないのは当然であると言える。

軍記物の中には、家康は景継を高く評価し、景勝から冷遇を受け続けていることを知り、2万石を与えて迎え受けようとしたが、景継は「景勝殿の怒りは私の責任であり、いかなる罰を受けてもそれはもっともなことである。それに長きこと上杉家に仕えており、今さら二君にまみえることは出来ない」と述べてこの誘いを断り、これを聞いた家康は「そういう人物だからこそ配下に欲しかった」と悔しがったという話が記載されている。

脚注

  1. ^ 景持の親戚筋ではあるが、別の甘糟家である。
  2. ^ 「高野山清浄心院蔵「越後国供養帳」」(『上越市史研究』第9号)には、景継が慶長5年7月21(27)日に死亡した明室秋光大姉の供養を依頼した記録があり、この女性を景継の妻とすれば白石城攻撃前後に妻が死亡したのは事実と思われる。ただし、7月18日の直江兼続書状から、この時既に景継は白石城を留守にしていたことがわかる。なお、「侍組禄席掌故」(『上杉文書』)の慶長12年(1607年)2月の侍衆知行付では、景継は以前どおり6600石の知行と、同心与力を統括する藩最上位の身分である侍組の一員として記録されている。
  3. ^ 「侍組禄席掌故」(『上杉文書』)では寛永3年(1626年)11月の記録より景継の子、久五郎吉継(200石)と彦七郎(帯刀)長継(300石)の名が認められる。

登場作品




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