現代における理解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 00:04 UTC 版)
現代的な理解では、共義性は、ある種の形式的特徴として捉えられる。すなわち、表現の定義の仕方や表現の言語へ導入の仕方によって決定されるような形式的特徴として捉えられるのである。命題論理の標準的な意味論では、論理結合子は共義的に扱われる。 ∧ {\textstyle \land } を例に取ろう。 ∧ {\textstyle \land } の意味論的規則は以下の通りである。 ‖ ϕ ∧ ψ ‖ = 1 iff ‖ ϕ ‖ = ‖ ψ ‖ = 1 {\displaystyle \|\phi \land \psi \|=1{\text{ iff }}\|\phi \|=\|\psi \|=1} このように、 ∧ {\textstyle \land } の意味は、 ϕ {\textstyle \phi } と ψ {\textstyle \psi } という二つの論理式の結合のなかで出現している場合に定義される。 ∧ {\textstyle \land } は単体では意味を持たないのだ。だから ‖ ∧ ‖ {\textstyle \|\land \|} は定義されない。 もっとも、λ抽象を用いれば、同等の定義を自義的に与えることもできる。 ∧ {\textstyle \land } の意味を ( λ b . ( λ v . b ( v ) ( b ) ) ) {\textstyle (\lambda b.(\lambda v.b(v)(b)))} と定義するのだ。この関数は、ブール値(例えば、TRUEやFALSE。これらはそれぞれ ( λ x . ( λ y . x ) ) {\textstyle (\lambda x.(\lambda y.x))} および ( λ x . ( λ y . y ) ) {\textstyle (\lambda x.(\lambda y.y))} のように定義される)の順序対を引数として取るものである。これは、タイプ ⟨ ⟨ t , t ⟩ , t ⟩ {\textstyle \langle \langle t,t\rangle ,t\rangle } の表現である。つまりこの表現の意味は、タイプ t {\textstyle t} (真理値)の存在物の順序対からタイプ t {\textstyle t} の存在物への二項関数だということになる。この定義のもとでは、 ∧ {\textstyle \land } は非共義的ないし自義的である。ただし、この定義が形式的には ∧ {\textstyle \land } 関数を定義するとしても、その定義にはλ抽象を用いることが必要であり、λそれ自体は共義的に導入されるため、単に問題を別のレベルの抽象へと棚上げしたにすぎないとも考えられる[要出典]。
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