狂犬病診断における意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/25 00:39 UTC 版)
「ネグリ小体」の記事における「狂犬病診断における意義」の解説
類似の封入体が認められる疾患が他になく、狂犬病に特徴的な病変とされるため診断的価値は高い。ただし、狂犬病患者(患畜)の全例に形成されるわけではなく、病理学的検査においてネグリ小体が認められないからといって直ちに狂犬病を否定はできない。ヒトの場合、狂犬病発症から4-5日以上経過した症例ではネグリ小体の形成頻度が高い一方、発症から2日以内に死亡した例ではほとんど形成が見られない。 1950~60年代にかけて免疫蛍光染色による特異的で迅速な診断法が開発され、鏡検技術の熟練度に影響されるネグリ小体検出の診断的意義は低下した。ネグリ小体が真に狂犬病限定の病変であるかについては異論もあり、近年では複数の検査法を組み合わせて確定診断を行うことが望ましいとされる。しかし、狂犬病が恒常的に発生している開発途上国や、蛍光抗体法あるいはRT-PCR法を利用できない地域・施設においては、依然として重要な診断基準となっている。
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