燗の現状 (焼酎)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 13:20 UTC 版)
燗をして飲まれる焼酎は、アルコール度数が低いことが多い。なお、アルコール度数が高い焼酎(特にアルコール度数35%を超える焼酎)は、加水(水、または、湯を加える行為)を行って、アルコール度数を下げてから燗をすることもある。しかし、アルコール度数が高い焼酎の場合は、お湯で割ることにより、燗の代わりとして飲むことが多い。お湯で割れば自動的に温度が上がるからである。 ただし、お湯で割っただけの状態の場合、燗をしたとは言えない点に注意が必要だ。つまり、たとえ焼酎にお湯を加えて温度が上昇したとしても、その後、さらに加熱を行わなければ、燗をしたとは言えないのである。この点を混同してはならない。 なお、事前(飲む前日以前に。直前ではない。)に、加水(お湯は使用しない。)しておくことを、前割りと呼ぶ。前割りすることで焼酎と水が馴染むため、前割りした焼酎を燗すれば、お湯割りよりもまろやかさが増す。 焼酎を燗するための酒器に薩摩焼の「黒ぢょか」がある。「黒ぢょか」で燗をする場合は前割りした方が好ましい。まれに、電子レンジに入れて燗をつけることもある。1980年代の鹿児島県では、この飲み方が基本であった。 この焼酎に燗をするというのは、あくまで現在では稀に行われることもある焼酎の飲み方である。たとえ、かつては燗して飲まれたものと同じ焼酎であっても、現在では、室温のままストレート、水割り、お湯割りなどが圧倒的に多い。さらには、燗とは全く逆に、冷蔵庫や氷などを用い冷やした上で、焼酎を飲むということまで行われることもある。普通、焼酎に燗をして飲まれることは無くなった。
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