熊の餌付けによる死亡事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 14:23 UTC 版)
20年間アラスカで野生動物の写真を撮り続けて、ヒグマに対して愛情を持ち、習性を熟知していたベテランカメラマン星野道夫が、平成8年(1996年)ロシア・カムチャツカ半島クリル湖でのテレビ番組の取材に同行したとき、テントの中で睡眠中ヒグマに襲われて死亡したケースが有名である。彼を襲った熊は、テレビ撮影を目的として地元テレビ局のオーナーが餌付けしていた個体であることが判明している。通常野生の熊は、人を恐れて一定の距離を保とうとするが、問題の個体は人を恐れずに近づいてくる異常な行動を見せていた。死亡事故が発生する一週間ほど前に、一行がその個体と遭遇したとき、大声を上げて威嚇しても怯まず逃げようとしなかったため、石を投げて追い払ったあとで、星野道夫は「イヤな奴だな」と呟いて、その不自然な挙動を指摘していた。人間との距離感が麻痺してしまった野生動物との遭遇は、事故が起こりやすい。
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