炭化物の生成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 15:55 UTC 版)
成長するベイニティックフェライトラスに囲まれたオーステナイトには、炭素が強く濃化しているため、オーステナイトから炭化物を析出することが可能となる。セメンタイトは常に炭素が濃化したオーステナイトから生じ、上部ベイナイトの炭化物は常にベイニティックフェライトのラスの境界に沿ってフィルム状に連続的に並ぶ形で生じる(図15)。合金中の炭素量が増加すると、ベイニティックフェライトの幅が細くなり、炭化物のフィルムは不連続かつ頻繁に生じるようになる。ベイニティックフェライトプレートの生成後に、周囲のオーステナイトに生じる張力を緩和する形で炭化物が生成することが確認される。炭化物とオーステナイト、フェライトの間の結晶方位の関係は、(剪断説で主張される)格子剪断で上部ベイナイトに生じる炭化物と同様であることがわかっている。剪断説に反論するアーロンソン(Aaronson)は、ベイニティックフェライトの生成もこの炭化物と同じく拡散支配の変態であると説明している。
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