火まつり(映画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 火まつり(映画)の意味・解説 

火まつり (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/31 05:42 UTC 版)

火まつり
監督 柳町光男
脚本 中上健次
製作 清水一夫
出演者 北大路欣也
太地喜和子
音楽 武満徹第9回日本アカデミー賞最優秀音楽賞
撮影 田村正毅
編集 山地早智子
製作会社 西武流通グループ
シネセゾン
プロダクション群狼
配給 シネセゾン
公開 1985年5月25日
上映時間 125分
製作国 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

火まつり』(ひまつり)は、1985年に公開された、三重県熊野市二木島町を舞台にした映画である。監督は柳町光男、主演は北大路欣也・共演は太地喜和子ほか。

中上健次のオリジナル脚本により、古代の神話そのままの熊野を舞台に中上ワールドを映像化している。公開5年前の1980年に二木島町で実際に発生した熊野一族7人殺害事件がモデルになっている。

あらすじ

三重県二木島は深い山と海に囲まれた田舎町だが、最近は「海中公園」を作るリゾート開発の計画で揺れていた。樵(きこり)の達男(北大路欣也)の家は海に面し、開発の中心地として買収の対象になっていたが、達男は興味を示さなかった。

港の生け簀重油が撒かれて魚が全滅する事件が起こり、開発に反対している達男が疑われた。漁師たちは「山の者」を嫌っていたが、トシオだけは達男を「アニ」と慕い、共に猟銃で猿狩りをしたり夜釣りに船を貸したりしていた。

近くの新宮の町からホステスの基視子(太地喜和子)が、村でスナックを営む姉を頼ってやって来た。達男は妻子持ちだが基視子とは深い仲で、縁があれば村の人妻にも手を出した。山の神様も俺の彼女だと豪語する達男。基視子は達男に惚れていたが、借金を肩代わりさせるためなら他の男とも野合する女だった。

トシオの船で人が立ち入らない神聖な海域に侵入し、泳ぐ達男や若者たち。若者たちには悪ふざけだったが、達男だけは神妙な面持ちだった。山での伐採作業の最中に大雨に降られ、皆が下山してしまった時も、一人だけ残って山の神と語り合う達男。伝統の火まつりでも、達男は「神さんのために」といきり立った。

達男の母親や他県に嫁いだ姉たちは、開発賛成派の村人たちから圧力をかけられ、達男を説得するために家に集まった。その席で達男は無表情に猟銃を構え、我が子も含めた家族全員を射殺した上で、銃を自分に向けて自殺した。

スタッフ

キャスト

製作

堤清二が連載を持っていた『サンデー毎日』の1984年7月15日号で「今回の西武出資の映画第一作で監督の柳町光男さんに出した条件は『こういう風に撮ったら宣伝しやすいとか、客が集まるとか、一切考えずに、撮りたいように撮ってくれ』って言ったら、柳町さんはえらい喜んでくれました」などと話している[1]

受賞情報

関連出版

脚注

  1. ^ 「堤清二のこのひとに会いたい(5) 女優 佐久間良子さん 『今は試練と思って何かをつかみたい』」『サンデー毎日』1984年7月15日号、毎日新聞社、45頁。 

関連項目

外部リンク


「火まつり (映画)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「火まつり(映画)」の関連用語

火まつり(映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



火まつり(映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの火まつり (映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS