準結晶の特異な物性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/09 15:50 UTC 版)
準結晶の金属に特有の物性として、金属としては異常に高い電気抵抗があげられる。例えば、アルミニウム、銅、鉄はいずれも良導体であるが、これらからなる準結晶Al-Cu-Feでは電気抵抗が10万倍にも達する。また、温度が低くなると抵抗が上昇する(通常の金属の示す性質と逆)、むしろ欠陥が存在する場合の方が抵抗が低い(これも通常の金属の性質と逆)などの特殊な性質を示す。準結晶のフェルミ面には「擬ギャップ」と呼ばれる状態密度の落ち込みがあり、これが特異な電気的性質の原因となっていると考えられている。擬ギャップが存在することで系全体のエネルギーを引き下げ、準結晶の構造を安定化していると考えられている。 バルクとしての準結晶(安定相)は、その非周期性のためへき開面を形成し難く、このため比較的硬くて強靭(脆くない)である。
※この「準結晶の特異な物性」の解説は、「準結晶」の解説の一部です。
「準結晶の特異な物性」を含む「準結晶」の記事については、「準結晶」の概要を参照ください。
- 準結晶の特異な物性のページへのリンク