温泉地との争い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:48 UTC 版)
地熱発電の開発が進まないもう一つの大きな理由として、周辺の温泉地からの反対があった。これは、地熱発電の新設により、温泉の枯渇、湯量の低下、温泉の温度低下、景観を損なうおそれがあるとして反発が根強い。実際、日本温泉協会が地熱開発に反対を表明している。また、群馬県の嬬恋村では2008年(平成20年)に地熱発電の計画が浮上したが、その予定地が草津温泉の源泉から数kmしか離れていないため、温泉に影響が出る可能性が必ずしも排除できないとして草津町が反対を表明した。草津温泉では、温泉権を主張して地熱発電と温泉との因果関係の有無を検証するための地下ボーリング調査等を行うことにも反対している。 しかし、地熱発電推進派からは、地下の地熱エネルギーおよび温泉資源についての科学的調査の結果、日本においては地熱発電所の開発規模が外国と比較して小さいことや地熱資源の維持に細心の注意が払われているから、地熱発電所が温泉などの周辺環境に影響を与えた事例は一例もないとも反論されている。また、地熱発電所と温泉・観光地との共存共栄は可能であるとの見解を示している。
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