海洋生態系における分解者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 18:28 UTC 版)
海の場合、動物遺体に関しては、関わる分類群は違っているが、状況としては似たようなものである。しかし、植物遺体に関しては、陸上とは異なり、落葉落枝が地面に積み重なることはない。したがって、陸上の場合の土壌のように、ここに分解者が集まっている、と指定できる部分はない。 海中では、糞は水中にちらばり、動植物遺体は最初の段階では大きな塊であっても、次第にそれらは微細な粒子となって海中を漂うことになる。これをデトリタス(懸濁物・浮泥)という。 デトリタスの原材料は、動物の糞やプランクトンの死骸などであるが、次第にその微生物の表面に(主として細菌類)が繁殖し、それによって栄養価が高まる。海中には、このデトリタスを摂取して生活する動物が広範囲に存在する。それらをデトリタス食者という。デトリタスの取りかたは様々で、二枚貝やホヤのように体内に海水を取り込み、腮でこしとって食べるもの、ケヤリムシやウミシダのように、大きく広がった腮や触手を伸ばし、その表面で集めるもの、オオヘビガイのように粘液で網を作って集めるもの、ナマコのように海底に沈んだものを拾い集めるものなど、様々なやり方がある。
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