氷食輪廻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 15:20 UTC 版)
1909年 W.M.Davis が唱えはじめ、1911年 W.H.Hobbs によって説明された説。氷河の侵食によって地形が変化する過程を一般の地形輪廻になぞらえて系統立てたもの。ただしこの説は山地氷河の侵食の場合にのみ適用され、大地の表面がほぼ氷体下に埋没してしまう大陸氷河には当てはまらない。 幼年期 氷食によって山体にいくつかの半円形の圏谷が出現し、これらの二つ以上の圏谷の間の山稜にまだ比較的緩やかな地表面が残されている状態。 壮年期 氷食が進行して圏谷と圏谷の間の地表面が消失し、圏谷壁が切り合うようになった状態。この時期にはアレートや氷食尖峰などの地形が見られるのが特徴である。 老年期 壮年期後は圏谷底の面積が増加せず、氷食山稜の部分が急速に風化され、ついには鋭く低い岩峰が散在するようになった状態。 上記のような氷食による地形の変化は、地盤隆起や気候変化が原因で山体が再び突起すると、同じような地形変化が繰り返される。このように地形が繰り返し変化する過程を氷食輪廻と呼ぶ。
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