水中音響システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 02:47 UTC 版)
「ボレイ型原子力潜水艦」の記事における「水中音響システム」の解説
ソナーは、ヤーセン型と同じ最新鋭の複合水中音響システムであるMGK-600"イルティシュ・アンフォラ"を搭載する。MGK-600は、艦首ソナー"アンフォラ"と情報処理装置"イルティシュ"を中心に敵味方識別装置・アクティブ/パッシブソナーなどの各種探知機を組み合わせた複合体で、デジタル情報処理技術を大幅に取り入れている。MGK-600は、アメリカ海軍のバージニア級原子力潜水艦のソナー・システムよりも高性能だと期待されている。一方で、製作するオケアンプリボル社は2006年にウラジミール・プーチン指示の元に設立された新興企業だが、首脳部にソ連時代からの水中音響の権威がいるため、冷戦時代以来の「アクティブ重視・パッシブ軽視」の風潮が未だに濃く、しかもロシア国防省が2006年と2007年に、国産ソナーと欧米製ソナーの比較試験を指示してもロシア海軍総司令部が2度とも断るなど、政治的問題が大きく関わっている。2009年7月2日に、ドミートリー・メドヴェージェフ大統領が「ユーリイ・ドルゴルーキイ」を視察した際には、同行したヴィソツキィ海軍総司令官が「音響測深機(Эхолот)」の問題を進言し、メドヴェージェフ大統領が「改善しなければ外国製を買うとオケアンプリボルに伝える。」と発言するなど、その問題は深刻となりつつある。
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