森林の除染
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 04:17 UTC 版)
森林については、もともと放射性物質の流出が少なく、むしろ除染の作業により放射性物質の流出が増大するリスクが高いため、除染を行うよりも、入林を規制して放射線量が自然に低下するのを待つ方がよいとされる。 だが、日本では、人口密度が高く、農地や住宅が森林と隣接することが多いうえに、山林に出入りする生活スタイルも古くからみられるため、2011年の福島第一原子力発電所事故の際に、森林の除染についても慎重に検討する必要があるとされた。 森林において、飛散した放射性物質はまず林冠を汚染し、その後落葉等により徐々に土壌に移っていくが、汚染された後に森林の土壌を除染することは、作業により土壌が森林の外に流出して周辺を汚染するリスクが高いため、非常に難しいとされる。 森林総合研究所の調査で、除染として落葉を除去することが、落葉広葉樹林では効果が高く、常緑樹林では効果が低いとわかった。だが、森林の除染については、汚染の実態も含めて、依然として研究の事例が少なく、課題が多いのが実情である。
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