柴谷篤弘による構造主義生物学
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「構造主義生物学」の記事における「柴谷篤弘による構造主義生物学」の解説
柴谷篤弘による構造主義生物学は『構造主義生物学』(東京大学出版会、1999年)においてまとめて解説されている。 それによると、『進化における上位分類群間の差異の起源については、これを単に新しいゲノムの創立としてあつかうのでなく、「構造」の創立として解かねばならない。「構造」とは、自然言語の例に見るように、人間の脳内に仮構される定式である。』と説明し、『「構造」はそれにあらたな成分が生成または付加されることがあっても、対応する外界の実態のように随時変動はしない。この仮構が外界の理解に役立てば、あたかも外界にその「構造」が実在するかのように、科学人も普通人も同様に考えてしまうことが一般である。』とする。 『「構造」は遺伝子DNAの上位にあり、それを組織化し、概念上ある種の「論理回路」ともいうべき形式に構築される。しかし、それは物理法則のように生物の外部にあるのではなく、むしろ個々の生物や細胞に封じ込められている。このようにして生物現象は恣意的な「構造」に還元される』と述べる。そして、『「構造」は物理法則と両立するが、「構造」の成立は物理的必然によっては規定されない』とする。
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