染色体との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 03:41 UTC 版)
遺伝子が染色体の上にあるとして、この問題を理屈だけで考えれば、次の2つの場合があることが分かる。 2組の対立遺伝子がそれぞれ別個の染色体上にある場合 2組の対立遺伝子が同一の染色体上にある場合 1.が独立の法則が成立する場合である。メンデルはあえてこのケースのみを取り上げ、法則として提示したとも言える。 2.が問題の場合であるが、まず考えられるのは、その場合の2組の遺伝子は一緒に動くことになる、ということである。たとえば先のウサギの例で、もしも短毛と白毛、長毛と黒毛の遺伝子が同一の染色体の上にあれば、短毛の遺伝子と白毛の遺伝子、長毛と黒毛の遺伝子は行動を共にする、つまり同じ配偶子に入るであろう。雑種第1代の配偶子の遺伝子型はSbとsBの2通りになり、それらの組み合わせを考えれば、第2代の表現型は 短毛白毛:短毛黒毛:長毛黒毛=1:2:1 となる。このような、同一染色体上に複数の遺伝子がある状態を連鎖と呼ぶ。 このように、連鎖というのは独立の状態と共に、染色体説から得られる当然の帰結である。事実、すぐに連鎖とその結果と見られる実験結果が得られた。しかし、実際に発見されたのはもう少しややこしい現実であった。連鎖と同時に組み換えが発見されたからである。
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