最強の「ゴーストシンガー」として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 16:30 UTC 版)
「マーニ・ニクソン」の記事における「最強の「ゴーストシンガー」として」の解説
MGM社内にも彼女の歌唱力を知る者があり、1949年にマーガレット・オブライエンの歌の吹き替えに抜擢。少女スターであるオブライエンの幼い歌声を真似て歌い、表に出ない「ゴーストシンガー」としてここでデビューした。 1956年に『王様と私』でデボラ・カーの歌う曲を全て吹き替えることなり、ここでカーとの間で親交を深めることとなる。しかし映画会社の「スターのイメージを保つため」の戦略として、ニクソンの名はエンドクレジットに載ることはなかった。そのうえ「吹き替えたことをバラしたら二度と仕事ができないようにする」とスタジオに脅されたため、恐れたニクソンは自身の吹き替えを公表しない契約書にサインをするほかなかった。こうして「ゴーストシンガー」としての活躍が始まる。 1961年の『ウエスト・サイド物語』は、当初はナタリー・ウッド自身が歌う予定であり歌の収録も行ったが(音源が残っている)「より完璧な映画にしたい」という会社の判断により、ニクソンの歌声に吹き替えられた。ウッドは自身の歌に自信を持っていたため、実際に映画を見て吹き替えられているのを知り、失望で席を立ったという。 1964年には『マイ・フェア・レディ』でオードリー・ヘプバーンの吹き替えを担当したが、こちらも当初はヘプバーン自身が歌う予定であり収録も行った(音源が残っている)。 その女優の特有の発音や声色まで似せて歌うニクソンは「最強のゴーストシンガー」としてハリウッドの業界関係者の間では有名であったが、吹き替えはトップシークレットであったため、長年にわたり彼女の存在を世の人が知ることはなかった。
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