最小分散規範
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:11 UTC 版)
非常に不規則な励振を受けるなどの場合は、特定の励振周波数近辺よりも、すべての周波数域で振動が最少となるように設計した方がよい。このような設計手法として、最小分散規範と呼ばれる最適化法がある。最小分散規範は、1963年にステファン・H・クランドル(Stephen H. Crandall)とウィリアム・D・マーク(William D. Mark)により発表された。 最小分散規範では、伝達される振動エネルギーに注目して、これが最少となるように設計する。すなわち、共振曲線を積分して得られる面積二乗値が最少となるようにする。具体的には、主系の基礎部がホワイトノイズランダム振動を行う場合は、主系と従系の質量比μより以下のような最適値が求まる。 α o p t = 1 1 + μ 2 + μ 2 {\displaystyle \alpha _{opt}={\frac {1}{1+\mu }}{\sqrt {\frac {2+\mu }{2}}}} ζ a o p t = μ ( 4 + 3 μ ) 8 ( 1 + μ ) ( 2 + μ ) {\displaystyle \zeta _{a\ opt}={\sqrt {\frac {\mu (4+3\mu )}{8(1+\mu )(2+\mu )}}}} 上記の通り、定点理論と異なり2つの共振点の高さは一致せず、常に曲線上左側(周波数が低い側)の共振点が、曲線上右側(周波数が高い側)の共振点よりも大きくなる特徴がある。
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