曲としての統一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 17:16 UTC 版)
前古典派までの作品では楽章間に大きな関連性が見られないため、それらの各楽章で1つの楽曲を作るには統一性がやや欠けていたが、ハイドンは異なる楽章間の主題に関連性を持たせ、楽曲としての統一性を図るようになった。ロマン派時代に入ると、作品の構築性よりも感情表現やそのための旋律性が重視されたため、再び楽章間の統一性が脆弱になる傾向が生まれた。これを克服するため、ベルリオーズやリストは各楽章間の旋律の共通性をより重視した循環形式を強化した。この傾向は後にはフランクに特に強く受け継がれた。曲としての統一性、という概念に大きく貢献した作品としては、ベートーヴェンの諸作品(とりわけ交響曲第5番)、ベルリオーズの幻想交響曲、フランクの交響曲などがある。
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