春風のエトランゼとは? わかりやすく解説

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エトランゼシリーズ

(春風のエトランゼ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 08:48 UTC 版)

エトランゼシリーズ
ジャンル ボーイズラブ
漫画:海辺のエトランゼ
作者 紀伊カンナ
出版社 祥伝社
掲載誌 on Blue
レーベル Feelコミックス オンブルー
発表期間 2013年 - 2014年
巻数 全1巻
漫画:春風のエトランゼ
作者 紀伊カンナ
出版社 祥伝社
掲載誌 on Blue
レーベル on Blue コミックス
発表期間 2014年 -
巻数 既刊5巻(2022年10月現在)
映画:海辺のエトランゼ
原作 紀伊カンナ
監督 大橋明代
脚本 大橋明代
キャラクターデザイン 紀伊カンナ
音楽 窪田ミナ
制作 スタジオ雲雀
配給 松竹
封切日 2020年9月11日
上映時間 59分
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

エトランゼ』シリーズは、紀伊カンナによるボーイズラブ漫画シリーズ。シリーズ第一作であり紀伊のデビュー作である『海辺のエトランゼ』(うみべのエトランゼ)は『on Blue』にて2013年から2014年にかけて連載され、その続編である『春風のエトランゼ』(はるかぜのエトランゼ)が『on Blue』にて2014年から連載されている。2020年にはアニメ映画『海辺のエトランゼ』が公開された。

あらすじ

登場人物

橋本駿(はしもと しゅん)
声 - 村田太志(ドラマCD、映画[1]
北海道出身の若手小説家[2]。ゲイであり、幼馴染との婚約を破談にしたことや自身のセクシュアリティを両親に咎められたことから実家を出て沖縄で暮らしており、そこで実央と出会う。
知花実央(ちばな みお)
声 - 松岡禎丞(ドラマCD、映画[1]
沖縄出身のフリーター[2]。幼いころに父を亡くし、高校生のときに母を亡くす。その頃に駿と出会う。
桜子(さくらこ)
声 - 嶋村侑(ドラマCD、映画[1]
駿の幼馴染で元婚約者。
絵里(えり)
声 - 伊藤かな恵(ドラマCD、映画[1]
駿が沖縄で住んでいた民宿の住民のひとり。鈴のガールフレンド。
鈴(すず)
声 - 仲谷明香(ドラマCD、映画[1]
駿が沖縄で住んでいた民宿の住民のひとり。絵里のガールフレンド。
おばちゃん
声 - 佐藤はな(ドラマCD、映画[1]
駿が沖縄で住んでいた民宿の大家。
橋本ふみ(はしもと ふみ)
声 - 池辺久美子(ドラマCD)
中学2年生の駿の弟。駿が家を出た後、養子として橋本家に引き取られた。

制作背景

紀伊カンナはアニメーターを務めた後に2010年に「庭」という名義でイラストレーターとなった[3]。あるとき紀伊の同人誌を見た『on Blue』の編集者から猫マンガを描かないかという誘いがあった[4]。紀伊はこの誘いを断ったが、その編集者からは連絡が続き、。当初は読み切り漫画として掲載された。読み切りに対して反応は少なかったが、これを読んだ紀伊の友人からキャラクターについて聞かれるうちに紀伊のなかでキャラクター像が固まっていったという[4]

紀伊によると、本作では「うまく行かない事に対し強い気持ちで立ち向かったり頑張るのが全てではない」という気分を漫画にしており、中心となるテーマは設けていないという[5]。また、同性愛を描くにあたっては、紀伊はなるべく中間の観点から描いていると語っている[5]。このほか、読後感を悪くしないために同性愛に関する問題については適度に軽く見せるようにしているという[5]

評価

『海辺のエトランゼ』は2014年の「全国書店員が選んだおすすめBLコミック」において5位を記録した[6]。「このマンガがすごい!」の粟生こずえは『海辺のエトランゼ』について、人物のロングショットやクローズアップ、カメラワーク、色のコントラストを称賛し、前職がアニメーターであることが納得の表現力の高さであると評価している[7]。また、『春風のエトランゼ』の1巻についても、登場人物の心情描写などの表現力は一級品であり、北海道への旅などの描写はリアリティを持っていると評価している[8]。「このマンガがすごい!」の山王さくらこは、細々とした背景の書き込みが醸し出す生活感が本作の魅力であると評している[9]

関連メディア

ドラマCD

2016年には『春風のエトランゼ』2巻のアニメイト限定版に付属して村田太志が橋下駿を、松岡禎丞が知花実央を演じるドラマCDがリリースされた[10]。ドラマCDでは『春風のエトランゼ』1巻の巻末のシーンと巻末マンガが2本立てで収録された[10]。2017年には『BLCDコレクション 春風のエトランゼ1』がリリースされた[11]

映画

2019年10月にフジテレビのBLアニメレーベルであるBLUE LYNXの3作目として本作の映画化が発表された[12]。監督・脚本は大橋明代が務め、スタジオ雲雀が制作した[4]。また、紀伊自身もキャラクターデザインを手がけた[4]。劇場版は2020年9月11日に松竹ODS事業室から日本全国で公開され[13]、その後、台湾や香港などで公開された[14][15]

書誌情報

脚注

  1. ^ a b c d e f アニメージュ2021/03 (2021), p. 145.
  2. ^ a b クリス (2020年9月23日). “『海辺のエトランゼ』が“BLの入門書”と称される理由 優しさに満ちた世界”. Real Sound. 2023年3月13日閲覧。
  3. ^ 『春風のエトランゼ』連載中 マンガ家・紀伊カンナ インタビュー”. Febri (2021年10月18日). 2023年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。
  4. ^ a b c d 『春風のエトランゼ』連載中 マンガ家・紀伊カンナ インタビュー2”. Febri (2021年10月20日). 2023年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月12日閲覧。
  5. ^ a b c 紀伊カンナ先生インタビュー ゲイ小説家が昔の想い人と再会! 年下彼氏の反応は!? コミックス『春風のエトランゼ 3』”. ちるちる (2017年7月17日). 2023年3月17日閲覧。
  6. ^ Rafael Antonio Pineda (2015年3月6日). “Japan's Bookstore Employees Rank Top Boys-Love Manga of 2014”. Anime News Network. 2023年3月14日閲覧。
  7. ^ 粟生こずえ (2014年8月8日). “【日刊マンガガイド】『海辺のエトランゼ』 紀伊カンナ”. このマンガがすごい!Web. 2023年3月14日閲覧。
  8. ^ 粟生こずえ (2015年8月20日). “『春風のエトランゼ』第1巻 紀伊カンナ 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい!Web. 2023年3月14日閲覧。
  9. ^ 山王さくらこ (2016年9月6日). “『春風のエトランゼ』第2巻 紀伊カンナ 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい!Web. 2023年3月14日閲覧。
  10. ^ a b コミックナタリー編集部 (2016年7月22日). “紀伊カンナのピュアBL「春風のエトランゼ」ドラマCDに村田太志、松岡禎丞”. コミックナタリー. 2023年3月14日閲覧。
  11. ^ 10月27日(金)発売『BLCDコレクション 春風のエトランゼ1』主演声優の村田太志さん&松岡禎丞さんにインタビュー!”. アニメイトタイムズ (2017年9月27日). 2023年3月14日閲覧。
  12. ^ コミックナタリー編集部 (2019年10月25日). “「海辺のエトランゼ」2020年夏に劇場アニメ化!紀伊カンナが監修・キャラデザ”. コミックナタリー. 2022年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。
  13. ^ クリス菜緒 (2021年2月20日). “『海辺のエトランゼ』ネタバレレビュー|純愛を豊かな自然と色と光で魅せる”. Cinemas+. 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月12日閲覧。
  14. ^ Rafael Antonio Pineda (2020年10月30日). “Cai Chang Posts New Trailer for Umibe no Étranger Anime Film's Taiwan Screening”. Anime News Network. 2023年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月12日閲覧。
  15. ^ Rafael Antonio Pineda (2020年11月16日). “Neofilms Opens Umibe no Étranger Anime Film in Hong Kong on December 3”. Anime News Network. 2022年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月12日閲覧。
  16. ^ 海辺のエトランゼ”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。
  17. ^ 春風のエトランゼ 1”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。
  18. ^ 春風のエトランゼ 2”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。
  19. ^ 春風のエトランゼ 3”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。
  20. ^ 春風のエトランゼ 4”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。
  21. ^ 春風のエトランゼ 5”. 祥伝社. 2023年4月8日閲覧。

参考文献

外部リンク


春風のエトランゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 06:54 UTC 版)

エトランゼシリーズ」の記事における「春風のエトランゼ」の解説

小説家の駿は沖縄離島離れ故郷北海道へ向かっていた。島で出会った年下恋人・実央を連れて。かつて、幼なじみとの結婚式ゲイと言って逃げ出して以来、駿は実家とは絶縁状態でいたが、父親病気聞き一度帰ることにした。迷惑をかけた実家に男の恋人。駿にとっては気まずい帰省だったが、親を亡くした実央には――。

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